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LINEは友人や家族だけでなく仕事でも使う欠かせないアプリですが その設定はセキュリティ的に問題ないでしょうか。
アップデートすると初期状態へ戻る項目もあり 知らないうちに個人情報が筒抜けになる危険性もあります。
本記事では暗号化の確認から友だち追加の落とし穴まで 初心者でも五分でできるセキュリティ改善ポイントを順番に解説します。
読み進めるうちにトークの盗み見やアカウント乗っ取りの不安が消えます。
それでは一緒に安全にLINEを利用できる設定を行っていきましょう。
トークを守るための暗号化とパスコード設定
LINEには、友人との日常的な会話はもちろん、仕事のやりとりや個人情報など重要な内容も含まれがちです。
だからこそ、まず最初に確認しておきたいのが「通信の暗号化」と「アプリのロック」です。この設定を行えば、スマホをなくしても第三者に中身を見られるリスクを大きく減らせます。
ここでは、トークの安全性を確保するために必要な3つの手順を順番に解説していきます。
Letter Sealing機能が有効か確認する【設定1】
LINEでは、メッセージの盗み見を防ぐための暗号化機能「Letter Sealing(レターシーリング)」が用意されています。この機能がオンになっていると、あなたのメッセージ内容は送信者と受信者にしか解読できないように守られます。
設定方法
- LINEのホーム画面右上の「歯車マーク(設定)」をタップ
- 「プライバシー管理」を選択
- 「Letter Sealing」を見つけて、チェックマークが入っているか確認
もしチェックが入っていなければ、タップしてオンに切り替えましょう。この機能はデフォルトで有効になっているはずですが、アップデートの影響などでオフになっている可能性もあるので念のため確認しておくのがおすすめです。
<補足>なぜ「Letter Sealing」が必要なのか?
インターネットを通じて送るLINEのメッセージは、第三者に盗み見される可能性があります。たとえば、公共のWi-Fiを使っているときなどに、悪意のある人が通信内容をのぞき見ることもゼロではありません。
「Letter Sealing」はその対策として、メッセージを特殊なカギで暗号化し、送信者と受信者にしか読めないようにする機能です。もし途中で誰かが内容を盗み見ようとしても、意味のわからない文字列としてしか表示されないため、情報が守られます。
つまり、「Letter Sealing」はLINE内の会話を“鍵付きの手紙”のようにして守ってくれる大切な仕組みなのです。初心者こそオンにしておきたい基本のセキュリティ機能といえます。
アプリにパスコードロックを設定する【設定2】
スマホの画面ロックを解除すれば誰でもLINEを開けてしまう…
そんな状態を防ぐのが「アプリ自体のロック設定」です。LINEのパスコードロックをオンにすれば、起動時に専用の暗証番号が必要になります。さらに顔認証や指紋認証にも対応しており、手間なく安全性をアップできます。
設定方法
- 「設定」→「プライバシー管理」→「パスコードロック」をオン
- 4桁のパスコードを2回入力
- 「生体認証を使う(Face ID / 指紋認証)」を有効化
ただし、誕生日や「0000」などの安易な数字は避けるようにしましょう。なお、パスコードを忘れると再インストールが必要になるため、定期的にバックアップを取っておくことも忘れずに。
通知にメッセージ内容を表示しないようにする【設定3】
せっかく暗号化やロックをしても、ロック画面の通知にメッセージの中身がそのまま表示されていたら台無しです。人前でスマホを使う機会が多い人は、この設定もしっかり見直しましょう。
設定方法
- 「設定」→「通知」
- 「メッセージ内容を表示」のチェックを外す(「通知ポップアップ」などの表記の場合もあり)
- 必要に応じて「通知そのものをしない」にすることも可能
これで、画面ロック中に誰かにスマホを見られても、LINEのメッセージ内容が表示されることはありません。電車やカフェなどの公共の場でも安心して使えます。
友だち追加を管理して知らない相手との接触を防ぐ
LINEは気軽につながれる便利なアプリですが、初期設定のまま使っていると、知らない相手から勝手に「友だち」に追加されたり、個人情報が思わぬかたちで漏れてしまう可能性があります。
ここでは、LINEでの「友だち追加」機能を安全に使うための設定方法を詳しく解説します。
アドレス帳同期と友だち自動追加をオフにする【設定4】
スマートフォンのアドレス帳とLINEが同期されていると、連絡先に登録されている相手が自動的に「友だち」として追加されます。これは便利な半面、意図しない相手――たとえば仕事関係者や昔の知人――までもが勝手にLINE上の「友だち」になってしまうことがあります。
こうしたトラブルを防ぐためには、以下の手順で「友だち自動追加」機能をオフにしましょう。
設定手順(iOS/Android共通)
- LINEの「ホーム」タブ右上の⚙(設定)アイコンをタップ
- 「友だち」を選択
- 「友だち自動追加」と「友だちへの追加を許可」を両方オフにする
この設定により、自分の電話番号を登録しているだけの相手に、自動でアカウントが表示されることを防げます。家族や親しい人だけとLINEを使いたい方にとっては、必ず見直しておきたい項目です。
ID検索と電話番号検索を無効化する【設定5】
LINEでは、自分のIDや電話番号を知っていれば誰でも検索して友だち追加ができてしまいます。もし過去にLINE IDを設定しているなら、特に注意が必要です。
設定手順
- 「設定」→「プライバシー管理」へ進む
- 「IDによる友だち追加を許可」をオフにする
- 「メッセージ受信拒否」はオンにする(友だち以外からのメッセージの受信を拒否します。)
これで、あなたのLINE IDや電話番号を知っていても、他人が検索して友だち追加することはできなくなります。見知らぬ相手からの突然の接触を避けたい方は、必ず設定しておきましょう。
QRコードを更新し共有範囲を限定する【設定6】
LINEで友だちを追加する際によく使われるのが、QRコードの読み取り機能です。しかし、一度共有したQRコードやURLがそのまま残っていると、不特定多数に拡散されてしまうリスクがあります。
このQRコードは定期的に更新できるので、心当たりのないユーザーから友だち申請が来た場合はすぐに再発行しましょう。
設定手順
- 「設定」→「プライバシー管理」へ進む
- 「QRコードを更新」をタップ
- 確認画面で「更新」または「OK」をタップ
更新すると旧QRコードは無効になるため、これ以降は新しいコードだけが有効になります。安心して使い続けるために、QRコードの更新は習慣にしておくとよいでしょう。
不要な相手をブロックまたは非表示にする【設定7】
もしすでに知らない人と「友だち」になってしまっていた場合は、迷わずブロック機能を活用しましょう。ブロックすると、その相手はあなたにメッセージを送ることができなくなります。しかもブロックされたことは相手に通知されないので、安心して使える機能です。
設定方法
- 友だちリストで相手を長押し → 「ブロック」を選択
- 「知り合いかも?」からは、相手のプロフィール画面で「ブロック」を選ぶ
- ブロック解除も「設定」→「友だち」→「ブロックリスト」から可能
さらに、ブロックまではしなくても、トーク画面に表示したくない相手は「非表示」にするという選択もあります。整理された画面でLINEを使いたい方にもおすすめです。
アプリ連携と広告トラッキングを最小限にして情報流出を防ぐ
LINEは便利な機能が多く、外部アプリとの連携や広告のカスタマイズなどが可能です。しかし、その裏で気づかないうちに個人情報が広く扱われていることもあります。
ここでは、LINEのアプリ連携や広告配信に関するリスクを減らす設定方法を詳しく解説します。
LINEへの情報提供オプションを停止する【設定8】
LINEでは、サービスの品質向上や不正利用防止などの目的で利用状況や行動履歴の一部を取得する設定が初期状態でオンになっている場合があります。
例えば、「位置情報の取得」や「コミュニケーション関連情報」などが含まれます。
こうした情報の送信に抵抗がある方は、以下の手順で設定を見直しておきましょう。
設定手順(iOS/Android共通)
- LINEアプリのホーム画面右上の⚙マーク(設定)をタップ
- 「プライバシー管理」を選択
- 「情報の提供」メニューを開く
- 「コミュニケーション関連情報」「位置情報の取得を許可」など、すべての項目をオフに設定
これで、LINEによる情報収集を最小限に抑えられます。個人の行動パターンや利用傾向を追跡されたくない方は、必ず確認しておきたい項目です。
<設定によるデメリット>
ただし、サービス改善のためのデータ提供を止めると、一部の機能の精度や利便性が下がる可能性があるのがデメリットです。
例えば、LINEが位置情報を活用するサービス(近くの店舗情報の表示など)が使えなくなったり、不正アクセス検知の精度が落ちる場合があります。
外部アプリ連携を定期的に見直す【設定9】
LINEはゲームや音楽アプリ、ショッピングサービスなど、さまざまな外部アプリと連携する仕組みがあります。ただし、これらの連携がオンのままだと、アプリ運営元にあなたのプロフィール情報(名前やアイコンなど)が共有される可能性があります。
不要な連携を放置していると、意図せず情報が漏れる原因にもなるため、定期的に確認することが大切です。
確認・変更手順
- LINEの「設定」→「プライバシー管理」をタップ
- 「アプリからの情報アクセス」を開く
- 「拒否」にチェックを入れる
この設定により、LINEと外部アプリとの情報共有が遮断され、より高いセキュリティが保たれます。使っていないアプリ連携が残っていないか、一度チェックしてみてください。
<設定によるデメリット>
ただし、不要なアプリ連携をオフにすることでセキュリティは高まりますが、連携を解除したアプリでは一部の機能が使えなくなる可能性がある点がデメリットです。
行動ターゲティング広告配信を制限する【設定10】
LINEでは、ユーザーの年齢、性別、利用端末、閲覧履歴などをもとに、関心に応じた広告を表示する「行動ターゲティング広告」が利用されています。便利な反面、情報が広く分析されることに抵抗を感じる方もいるでしょう。
広告の最適化はオンが初期設定になっているため、必要に応じてオフに変更するのがおすすめです。
設定手順
- 「設定」→「プライバシー管理」→「広告の設定」へ
- 「ウェブ行動履歴を利用した追跡型広告の受信」と「LINE内部識別子を利用した追跡型広告の受信」を両方オフにする
この操作によって、興味関心に合わせた広告は表示されなくなりますが、代わりに一般的な広告が表示されるだけです。自分の利用情報を使われたくない方には必須の設定といえます。
アカウントの乗っ取り対策を強化する設定
LINEの乗っ取り被害は今も後を絶たず、家族や友人になりすました詐欺被害も報告されています。スマホを紛失したときだけでなく、パスワードの流出やフィッシングサイトなどを通じて不正アクセスされる可能性も。こうした被害を防ぐには、事前のセキュリティ設定が非常に重要です。
他端末でのログイン許可をオフにする【設定11】
LINEはパソコンやタブレットでも利用できますが、その分、他人があなたのIDやパスワードを使って勝手にログインするリスクもあります。特にスマホ以外でLINEを使っていない人は、「他の端末でのログイン」を無効にしておくことで乗っ取りリスクを大幅に減らせます。
設定手順
- LINEアプリの「ホーム」→右上の⚙(設定)をタップ
- 「アカウント」→「ログイン許可」へ進む
- 「ログイン許可」をオフにする
この設定をオフにすると、スマホ以外の端末からはLINEにログインできなくなります。スマホだけで使っている方には特におすすめの設定です。
パスワードでログインできないようにする【設定12】
LINEの「パスワードでログイン」機能は、スマートフォン以外の端末(PC、タブレットなど)でLINEにログインする際に、登録したメールアドレスとパスワードを使ってログインできるかどうかを制御する設定です。
この機能をオンにしておくと利便性が高くなる一方で、オフにすることで第三者による不正ログインのリスクを減らせるというセキュリティ上の利点もあります。
普段スマホだけでLINEを使っている方や、アカウントの安全性を重視したい方は、この設定を「オフ」にすることでアカウント保護につながります。ただし、PCなどからログインしたい場合は「オン」にしておく必要があります。
設定手順(iOS/Android共通)
- LINEアプリを開く
- ホーム画面右上の「⚙(設定)」アイコンをタップ
- 「アカウント」を選択
- 「パスワードでログイン」をタップ
- オン(緑)またはオフ(グレー)を切り替える
設定を変更する際は、自分の利用スタイル(スマホだけか、PCでも使うか)とセキュリティ意識のバランスを考えて選ぶようにしましょう。
不審なログイン履歴やセッションを確認・強制ログアウトする【設定13】
LINEでは、自分のアカウントがどの端末でログイン中かを確認できます。身に覚えのない端末が表示されていた場合は、すぐにログアウトすることで不正利用を防げます。
確認手順
- 「設定」→「アカウント」をタップ
- 「ログイン中の端末」または「他の端末でログイン中」を確認
- 身に覚えのない端末がある場合は「ログアウト」または「すべてのデバイスからログアウト」を選択
また、LINEアプリに突然ログアウトされた場合や、認証コードが届いた覚えがないのに通知が来た場合も、不正ログインの可能性があるためすぐにパスワードを変更しましょう。
パスワードの定期的な変更と複雑化を徹底する【設定14】
乗っ取り防止で最も基本的かつ重要なのが「強固なパスワードの使用」です。LINEのパスワードは、他のアカウントと使い回さず、定期的に変更するのがベストです。
おすすめのパスワード構成
- 英字(大文字・小文字)、数字、記号を組み合わせる
- 8文字以上
- 生年月日・電話番号・名前など推測しやすい情報は避ける
変更方法
- 「設定」→「アカウント」→「パスワード」から変更
- 現在のパスワードを入力し、新しいものを登録
パスワードを忘れてしまうと復旧手続きが面倒になるため、信頼できるパスワード管理アプリなどの利用も検討するとよいでしょう。
まとめ:LINEセキュリティ設定で大切な情報と安心を守ろう
LINEは私たちの暮らしに欠かせないコミュニケーションツールですが、その利便性と同時にセキュリティリスクも常に存在しています。何気ないやりとりの中にも、個人情報やプライバシーが多く含まれており、ちょっとした油断が思わぬトラブルにつながることもあります。
今回ご紹介した5つの「LINEセキュリティ設定」を実施することで、トーク内容の保護や見知らぬ相手との接触回避、情報流出の防止、アカウントの乗っ取り対策、さらには端末の故障や紛失時への備えまで、さまざまなリスクに対応することができます。
とくにスマホリテラシーが高くない方や、家族のLINE利用を見守りたい保護者の方にとって、設定の見直しは「もしも」に備える第一歩です。設定はどれもアプリ内で数分あれば完了できるものばかり。難しく考えすぎず、できることから始めてみてください。
安全なLINE利用は、自分自身だけでなく、大切な家族や友人を守ることにもつながります。今日この瞬間から、あなたのLINEをより安心・安全に使えるよう、セキュリティ設定を見直してみましょう。正しい設定と少しの意識が、トラブルのない快適なLINEライフをつくってくれます。