てぃかしです。
今回は、ネット上でもよく見る「エンジニア35歳定年説」について、触れていきます。
僕は今現在(2020年8月)、エンジニアの実務経験が半年になろうとしています。
一緒に働いている人で50代の方もいます。
その50代の方に教わることも多いのですが、次のことをよく言われます。
- 「30歳を過ぎたら、成長はあまり見込めないぞ」
- 「集中力も下がるぞ、理解力も下がるぞ」
- 「脳は老化していくんだよ。なので、君は人一倍勉強しないといけないんだよ」
僕は33歳ですから、「30歳を過ぎたら結構大変だよ、勉強頑張れよ」と日々、発破をかけてもらっています。
そういったお言葉を頂いて、すごくありがたいし、頑張ろうと思います。
その反面、「30代で脳が老化して、成長できないって本当か?」とも思います。
目上の方のおっしゃることですが、ちょっと疑ってしまう部分もあります。
エンジニア35歳定年説という言葉があるくらいなので、
「脳が老化するから、そういう言葉が出てくるのかな?」
など、いろいろ考えました。
いろいろ考えて僕なりの結論を出したので、今回は、それについて話していきます。
目次
結論:エンジニア35歳定年説は間違っている
まずは、「脳の老化によって、35歳でエンジニアを辞めなければいけないのか?」という話です。
結論を言うと、そんなことは全くないです。
それは当然で、35歳以上のエンジニアは、現実にいます。
脳の老化についての専門家の見解
「脳の老化で、エンジニアの仕事がしにくくなるのかな?」と思ったので、少し調べました。
引用になるのですが、脳科学の専門家で、「脳の学校」代表取締役の加藤俊徳先生が、次のようにおっしゃっています。
20代は、「脳が柔軟に物事を吸収しやすいとき。新しいことに挑戦して、体験や経験を積むことで、記憶や知識を蓄える脳領域が成長します。」
30代では、20代の経験のなかから“好き”“楽しい”と感じたことを続けたり、経験を深めたりすることで、物事を理解する脳領域が活性化していくという。
「20代では成長する」、「30代では活性化する」ということです。
「老化する」は、全く出てきていないです。
なので、「35歳で脳が老化して、エンジニアができない」ということは、ありえないです。
加藤先生は、次のように続けています。
「一定の年齢を超えたら、脳は衰える一方だ」と考える人もいるでしょう。
しかし最近の研究で、脳は鍛えれば一生成長を続けるということが分かってきました。
80歳の男性が新しく趣味などを始め、1年後にMRIで脳の変化を診断すると、小学1年生が2年生になったときぐらいに脳がめざましく成長していたという例もあります。
80歳になっても、脳が成長している例もあります。
たしかに脳の神経細胞は年齢とともに減少しますが、人生経験を積むことで脳神経細胞同士のネットワークは広がり、密になります。
このネットワークを強化していくことが、脳の成長につながります。そのためには、脳の機能をまんべんなく使うことが必要です。
これをまとめると、「脳の機能をまんべんなく使っていれば、脳は一生成長し続ける」ということです。
脳の神経細胞は年齢とともに減少しますが、それに伴って、脳が老化や退化をすることはなく、むしろ成長できます。
脳を使わなければ、老化や退化はすると思いますが、使っていけば成長はできます。
このことから、「脳が老化して、エンジニアができなくなる」ことは、基本的にないです。
かなりの怠け者でもない限りは、ないということです。
なぜエンジニア35歳定年説があるのか?
それでは、なぜエンジニア35歳定年説があるのかを考えてみました。
理由は、3つ考えられるかと思います。
理由① 年齢に夜市場価値の低下
1つ目の理由が、市場価値の低下です。
35歳で手を動かすエンジニアとして、「使い物にならない」のではなく、「市場価値が下がる」のだと思います。
どういうことかというと、
「35歳の人」というと、皆さんはどういう方を思い浮かべますか?
35歳になってくると、社会人経験が13年以上ある方も多いと思います。
それだけの経験を積んでいる人には、それに見合った給料を払わなければいけないです。
35歳と20代で、同じ技術レベルの人がいた場合は、企業は20代の方を採用します。
なぜかというと、年齢が低いので、給料も低く見積もってもいいからです。
若い人は、コスパが良いのです。
逆に、35歳以上年齢を重ねている人は、コスパが「悪い傾向」にあり、敬遠されがちです。
※「傾向」があるという話です。当てはまらないケースもあります。
言葉が悪いかもしれないですが、そういうことになります。
市場価値が35歳を境にどんどん下がる傾向にあるので、エンジニア35歳定年説が浮上していると思います。
理由② 加齢による体力の衰え
2つ目の理由が、体力の衰えです。
脳は老化しないですが、体力の衰えはあると思います。
30歳を過ぎると、体の節々が痛くなったりします。
僕は33歳で、健康診断も全然異常はないですが、周りの人に聞いてみると、肝臓が悪い人もいたり、結構大変だなと思います。
なので、体力の衰えや、体の異常で、仕事がしにくくなることはあるかと思います。
そういった体力面での理由もあると思います。
理由③ 興味や関心を持ちにくくなる
3つ目の理由が、年齢を重ねると、新しいものへの興味や関心を持ちにくくなることです。
エンジニアは、技術を勉強していかなければいけないです。
常に新しい技術を勉強していくことが、仕事だと思います。
時代は常に進化して、新しいものがどんどん生まれてきますから、それを追っていかなければいけないです。
それは、若い人の方が得意だったりします。
技術を追いかけるのが、35歳を境に難しくなってくると思います。
こういった3つの理由で、エンジニア35歳定年説が浮上していると僕は思います。
- 市場価値の低下
- 体力の衰え
- 新しい技術への興味・関心の消失
エンジニア35歳定年説についての議論(参考:TECH CAMP)
エンジニア35歳定年説については、いろいろなところで議論されています。
僕が通っていた「TECH CAMP」というプログラミングスクールがあるのですが、そこのサイトにも、エンジニア35歳定年説の記事がありましたので、その一部を紹介します。
最近この「エンジニア35歳定年説」が崩れ始めています。
最近はIT業界が人材不足ということもあり、現場で即戦力となる知識と経験が豊富なベテランエンジニアのニーズが高まっています。
またITビジネスが拡大するにあたって、スペシャリストとしての知識と経験を持つエンジニアは年齢を問わず現場で求められるため、35歳を過ぎてもエンジニアとして働き続ける方も多いようです。
プログラミングスクールが書いている記事なので、ポジショントークもあるとは思いますが、「35歳を超えてもエンジニアの仕事は続けることができる」という話です。
もちろん、世の中が今後どうなるか分からないですが、現状、エンジニアの仕事はなくならず、35歳を超えても続けられる仕事です。
記事にもあるように、35歳を過ぎてもエンジニアとして働き続ける方も多いのですが、そうではない人もいます。
そうではない人は、どういう道をたどっているのかというと、マネジメントをする道をたどります。
起業するパターンもあると思います。
その他の道もあると思います。
例えば、人に物事やプログラミングを教える立場もありますし、最近は、インフルエンサーという職業もあります。
インフルエンサーもありますし、そういった方が学びの場を提供することもあります。
例えば、オンラインサロンを開いて、学びの場を提供したり、教材を出したりする人もいます。
あとは、講演家や有名人など、(これは再現性が低いですが、)そういう方もいます。
35歳を境にいろいろな道をたどる人がいることも、35歳定年説が浮上している理由の一つかなと思います。
まとめ
ということで、今回は、エンジニア35歳定年説について書きました。
「脳が老化して、エンジニアを続けられなくなる」ことは、ないです。
35歳から市場価値が下がる傾向にあり、体力が低下し、新しい技術へのキャッチアップがしにくくなるから、35歳定年説が浮上しているというのが僕の考えです。
最初の方でも書きましたが、脳は鍛えれば一生成長し続けます。
35歳以上の方も、エンジニアになれる可能性を秘めていると思いますので、この記事や他の記事も参考にしていただけたらなと思います。
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